【完全ガイド】It that構文(強調構文)とは?基本形・that節の正体・whoの可否・似たIt構文との違いまで

It that構文(強調構文)を説明するアイキャッチ画像。'It was yesterday that I met her.' の例文とともに、文の一部を強調するイメージを示すシンプルな学習図解。

先生、「It that構文」って何ですか?

Akken

とても良い質問ですね!
入試でも英作文でも超重要な構文です。
結論から言うと──

It that構文(強調構文)とは、文の一部を強く目立たせるための表現です。

例:It was yesterday that I met her.
(私が彼女に会ったのは昨日だった。)

なるほど!でも普通に「I met her yesterday.」でも意味は同じですよね?

Akken

そうですね。ただ、It that構文を使うと「どの部分を強調したいか」が明確になるんです。
つまり、「昨日だったんだよ!」と強調して伝える効果があります。

目次

It that構文の基本形

It is(was)+ 強調したい部分 + that + 残りの文

この構文では、「It」と「that」でことば(単語)を包み込むようにして、伝えたい部分を強く浮かび上がらせます。

強調する部分例文
主語It was Tom that broke the window.窓を割ったのはトムだった。
目的語It was the window that Tom broke.トムが割ったのは窓だった。
副詞句It was yesterday that Tom broke the window.トムが窓を割ったのは昨日だった。

📚関連記事:It was not until ~ that 構文
「〜になって初めて…した」を表すIt構文の応用パターン。
強調の仕組みは同じなので、一緒に覚えると一気に理解が深まります。

普通文との違い(図解で理解)

普通文「I met her yesterday.」を、It~thatで包むと「It was yesterday that I met her.」になります。
つまり、It that構文は「強調したい部分をフレームに入れる」イメージです。

普通文をIt that 構文(強調構文)にするときの手順
①強調部分を選ぶ→②It ~ thatで囲む

that節は“完全な文”になる(関係代名詞と別物)

that の後ろって関係代名詞の文と似てませんか?

Akken

良いところに気づきました!
見た目は似ていますが、It that構文の that以下は「主語+動詞」がそろった完全な文です。
関係代名詞のthatとは役割がまったく違います。比較してみましょう。

構文例文that以下の構造ポイント
関係代名詞のthatThe boy that broke the window is Tom.主語が欠けている(= boy を修飾)that以下は「文の一部」
It that構文(強調構文)It was Tom that broke the window.完全な文(Tom broke the window)that以下は「文そのもの」

覚え方のコツ:
It that構文(強調構文)は、「It と that の間の言葉を、that以下の文の元の位置に戻すと完全な文になる」

Akken

ここで、関係代名詞のthatIt that構文の違いを表で整理しましょう。

項目関係代名詞のthat強調構文(It that構文)
例文The boy that broke the window is Tom.It was Tom that broke the window.
that以下の役割名詞(boy)を修飾する節文の一部を強調する節
that以下の文の形主語が抜けた「不完全な文」主語+動詞がそろった「完全な文」
元の文への復元復元不可(名詞を修飾しているため)It~that の間の語を元の位置に戻すと完全な文になる
→ Tom broke the window.
ポイント名詞に情報を追加する「説明の節」で、that以下は文の「一部」文の一部を取り出して強調しており、that以下は「完全な文」

大事なポイント:
✅ 関係代名詞のthat:文の「一部(名詞)」を説明する
✅ It that構文のthat:文の「一部(語句)」を強調する
✅ itとthatの間を戻すと完全な文になる(=関係代名詞との違いが目でわかる)

Akken

関係代名詞は“中の部品”を説明、It that構文は“部品を外に出して光を当てる”イメージで覚えよう!

It that構文の「否定・疑問・時制パターン」

先生!It that構文って、疑問文や否定文にもできますか?

Akken

とても良い質問ですね!
できますよ。しかも作り方はカンタン。
「It is / was」の部分だけを動かせばOKなんです。

❓ 疑問文にしたいとき

普通文: It was Tom that broke the window.

疑問文: Was it Tom that broke the window?

(窓を割ったのはトムだったの?)

あ、didとかdoは使わないんですね!

Akken

その通り!
主語は It なので、疑問文は be動詞(is / was) を前に出すだけ。
つまり「Was it ~ that ~ ?」でOKです。

🚫 否定文にしたいとき

✅ It wasn’t Tom that broke the window, but John.

(窓を割ったのはトムではなくジョンだった。)

Akken

「not A but B」(AではなくB)の形ですね。

that節の中はいじらないんですね

Akken

そうです!
「It is / was」のところに not を入れるだけ。that節の中は普通の文です。
このパターン(not A but B)は対比をはっきりさせるときに便利です。

🕒 時制の違いもOK

It was yesterday that he called me.(過去の出来事を強調)

It is today that we start.(今から始めることを強調)

is と was の違いだけで、強調する時間が変わるんですね!

Akken

そうそう。
時制の操作も It is / was の部分で行います。
that以下はいつも通りでOK。

👉 否定・疑問・時制の操作はすべて「It is / was」の部分で行う。that以下の文はそのまま

【thatの代わりにwhoも使える?】ニュアンスの違いと使い分けのコツ

先生、「It was Tom who broke the window.」って見たことあります。
でも、教科書だとthatって書いてあった気がします。どっちが正しいんですか?

Akken

すごく良い質問ですね!
実はどちらも正しいんです。
ネイティブも「thatとwhoを厳密に使い分けてる」というより、自然に言いやすい方を選んでいます。

よくある場面覚え方
It was Tom that broke the window.教科書・入試解答・フォーマルな文章迷ったら that。人/物どちらにも使え、標準的で安全。
It was Tom who broke the window.会話・ナレーション・人物に焦点を当てたいとき人を主語で強調する場面では who もしばしば選ばれる。

じゃあ、「who」の方が感情的とか、「that」は中立的っていうのは本当ですか?

Akken

それは一部の教科書的な説明で、厳密なルールじゃないです。
ネイティブも「感情の差」を意識してるというより、リズム・口調・場面で自然に使い分けています。
つまり、どっちを使っても失礼でも不自然でもありません。

💡補足:whoが使えるのは“人”を強調するときだけ!

who は「人専用」の語なので、人以外(物・場所・時・理由など)を強調するときは使えません。
その場合は必ず that を使いましょう。

実用のコツ(短く覚える)

  • 試験・答案・フォーマル:まずは that を使う(減点の心配がない)。
  • 会話・人物主語:who も自然(特に固有名・人称代名詞)。
  • 物・場所・時:that が自然(who は使えない)。

“that”と“who”を比較(どちらもOK:響きの違いは小さい)

It was Tom that fixed my bike. / It was Tom who fixed my bike.

It was my teacher that encouraged me. / It was my teacher who encouraged me.

どれも自然。文のテンポや言いやすさで選ばれることも多いです。

👉 結論:that / who はどちらも正解
安全にいくなら that
会話で人(主語)を前面に出したいなら who もよく使われる。
ただし人以外を強調するときは必ず that!

【整理】似ているけど別物!It構文トリオの違い

そういえば、「It」で始まる似た構文がいくつかありますよね?

Akken

ナイスな質問!
見た目はそっくりでも、文の役割がそれぞれ違います。
混乱しやすい3つを、ここで一気に整理しましょう!

構文意味・特徴例文
① It that構文(強調構文)It is/was ~ that …文の一部を強調
=「~こそが…だ」
It was Tom that broke the window.
(窓を割ったのはトムだった)
② It to構文(形式主語)It is ~ to …to以下が本当の主語
=「~することは…だ」
It is important to study English.
(英語を勉強することは大切だ)
③ It seems that構文It seems that …「~のようだ」を表す
見た目や状況の判断
It seems that she is tired.
(彼女は疲れているようだ)
Akken

どれも It で始まりますが、目的が違います。

  • 強調構文:It was ○○ that …” → 注目ポイントを目立たせる!
  • 形式主語:It is ○○ to …” → to以下が本当の主語!
  • It seems that 状況の推測をやわらかく伝える!

つまり、「It that」は目立たせる、“強調のIt”。
「It to」は主語のダミー、“支え役のIt”。
「It seems that」は推測のIt。
同じItでも、キャラがぜんぜん違うんですね。

👉まとめ:見た目が似ていても中身は別!
It that=強調It to=主語の代役It seems that=推測

📘 It構文シリーズ番外編:時間を強調する“It that 構文”の応用パターン
It was not until ~ that 構文】👈こちらを読めば、「It構文」の世界がさらに完成します。

FAQ(よくある質問)

Q1. It that構文は、関係代名詞のthatと同じですか?

A. 違います。関係代名詞のthatは名詞を修飾しますが、It that構文のthatは文全体をつなぐ接続詞です。
例えば、
The boy that broke the window is Tom.(関係代名詞)
It was Tom that broke the window.(強調構文)
見た目は似ていますが、文の仕組みがまったく異なります。

Q2. 「人」を強調するときは who じゃないとダメですか?

A. いいえ、that も who もどちらもOKです。どちらを使っても意味は同じです。
ただし、that はフォーマル/試験向けwho は会話的で自然という違いがあります。
例:It was Tom who broke the window.(日常英語)

Q3. It that構文はどんなときに使うの?

A. 「文の中で特に伝えたい部分」を目立たせたいときに使います。
It was yesterday that I met her.(出会ったのは昨日だった)
It that構文は、まるで強調したい部分を光で照らすスポットライトのような構文です。

Q4. It to構文(形式主語)と混同しやすいのですが、どう違うんですか?

A. It to構文は「to以下が本当の主語」になる構文です。
It is important to study English.(英語を勉強することは大切だ)
It that構文とは文の役割がまったく異なります

Q5. It that構文は会話でも使われますか?

A. はい、ネイティブもよく使います。ただし、話し言葉では「who」や語順の工夫(強調イントネーション)で表すことも多いです。
例:It’s you that I need.(必要なのは君なんだ)

📚 関連記事(vsシリーズ/構文シリーズ)

おわりに

ここまで読んでくれてありがとうございます!
It that構文のポイントをもう一度整理すると、こんな感じです👇

  • 基本形: It is/was + 強調部分 + that + 残り
  • 役割: 文の一部を強調して印象を深める
  • that節: 「主語+動詞」の完全な文
  • 人を強調: that / who どちらもOK(試験ではthatが安全)
  • 関連表現: It to構文・It seems that構文とは別物

It that構文は、まるで「伝えたい部分を光で照らすスポットライト」のような存在。
英文の中で「ここが大事!」というメッセージを視覚的にも伝えることができます。

Akken

英作文やスピーチで、相手の印象に残る一文を作りたいときは、ぜひこの構文を使ってみてください。
英語がぐっと“ドラマチック”になります!

皆さん、お疲れ様でした!

次回は、Itのもう一つの姿――「It to構文(形式主語)」を解説予定!
同じItでも、こちらは文全体を支える「主語の代役」として登場します。

Akken

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この記事を書いている人

なまえ:Akken
高校英語教員。”初心者にとことん向き合う”をモットーに情報発信しています。
所有資格:TOEIC825,英検準1級,英語教授資格TESOL certificate Ⅳ

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