
先生、if節で未来形が使えない理由を教えてください。



とても良い質問ですね!
英語学習者がよくつまずくポイントです。
結論から言うと──
if節の中では、未来のことでも「現在形」で表す
(=未来形 will は使わない)



どうして未来の話なのに現在形を使うんですか?



いいところに気づきました!
理由は文法的な理由と意味的な理由の2つがあります。
まずは文法の観点から見ていきましょう👇
文法的な理由:if節は「条件」を表すから
「if節(〜なら)」は、「条件」や「仮定」を表す文です。
つまり、if節は未来の「事実」ではなく、「起こるかもしれない条件」を述べています。
If it rains, we will stay home.
(もし雨が降ったら、家にいよう。)
この if節は、「雨が降るかもしれない」という条件を提示しています。
そのため、英語では次のように役割を分けて考えます。
if節 👉 “雨が降るとき(という条件)”を表す → 現在形
主節 👉 “そのときにどうするか”を表す → 未来形(will)
このように、if節では「条件(現在形)」+主節では「結果(未来形)」のペアで使うのが英語の基本ルールです。
意味的な理由:if節で未来形が使えない本当の意味



でも先生、英語では「時制の一致」があるから、主節もif節もwillにそろえるべきじゃないんですか?



いい質問!
結論を言うと——
if節では「時制の一致」は起こらない。
なぜなら、“if節”は「事実」ではなく「条件」を表すからで、主節の時制に合わせる必要がないんです。
If it rains, we will stay home.
(もし雨が降ったら、家にいよう。)
この文では、主節と時制を一致させるルールが適用されていません。
👉結論: “if節では時制の一致は起こらない”



そもそも英語の「時制」は、単に“時間”を表すだけじゃないんだ。
そして、“未来の話”=willとは限らないんだよ。



えっ、未来の話は全部willを使うと思ってました!



たとえば、want to do(~したい)やbe likely to do(~しそうだ)も、まだ起こっていない未来のことを話しているけど、現在形を使っているよね?
I want to go to Australia next year.
(来年オーストラリアに行きたい。)
It is likely to rain tomorrow.
(明日は雨が降りそうだ。)



たしかに!
未来の話でもwillを使わないときがありますね。



そう。英語では“時制”が「今の気持ち・判断・条件」によって決まるんだ。
if節のように「条件」を表すときは、現在形を使うのが自然なんだよ。
意味ベースで考える



さて、if節でwillが使えない理由に戻ろう。
実は、willが使えないのは文法のせいではなく、willという単語の意味に理由があるんだ。
if節の中で will を使うと、「〜するつもり」「〜する意思がある」という
意志・予測の意味になってしまうんです。
たとえば:
❌ If it will rain, we’ll stay home.
(雨が降るつもりなら、私たちは家にいるよ。)
雨には“意志”がないので不自然です。



つまり、if節ではwillが「文法的にダメ」なのではなく、
意味的に「不自然」になることが多いということなんだ。
| 意味 | 正しい形 | ❌ 間違い |
|---|---|---|
| もし雨が降ったら | If it rains, we’ll stay home. | If it will rain, we’ll stay home. |
| もし彼が来たら | If he comes, I’ll talk to him. | If he will come, I’ll talk to him. |
| もし明日暇なら | If you are free tomorrow, let’s go out. | If you will be free tomorrow, … |
例外:「意志の will」が使える場合
ここまで見てきたように、基本的にif節の中ではwillは使えません。
しかし、例外として「意志(意図)」を表すときには使うことができます。
✅ If he will help me, I’ll finish it soon.
(もし彼が手伝ってくれるつもりなら、すぐ終わる。)
この文のwillは「未来」ではなく「意志」の意味を表しています。
つまり、「彼が手伝う気があるなら」という主語の意図・態度を示しているため、自然な文になります。



ポイントは、“will”を「未来の出来事」ではなく「人の気持ち(意志)」として使っていることなんだ。
🔑 「if節+will」でOKなのは、主語に“意志”があるときだけ。
解決のカギ:「will は“約束・結果”の方につける」
ここまでで、if節の中ではwillを使わない理由と、例外的に使える場合を見てきました。
では、「どこに will をつければいいのか?」を整理しておきましょう。
If 〜(条件)〜, 〜(結果)〜.
「もし〜したら、そのあと〇〇する。」
👉 “もし〜したら”の部分は、まだ起こっていない条件
👉 “そのあと〇〇する”の部分は、未来の行動や結果
だから、未来の結果を表す主節にwill をつけるんです。
🔑 覚え方: “Ifには現在形、結果にwill”
| 条件(If節) | 結果(主節) |
|---|---|
| If it rains | we will stay home. |
| If you study hard | you will pass the test. |
| If she comes | we will be happy. |



will は「これから起こる結果」側につける、とイメージしよう。
「結果に will」=「約束のwill」「行動のwill」だからです。
応用編:if節で may / might / can / could は使える?



先生、may や might、can も if節で使えるんじゃないですか?



鋭い質問ですね!結論から言うと──
❌ if節の中で may / might は、原則として使いません。
✅ ただし、「許可」など特別な意味をもつときはOK。
✅ 一方、can / could は「可能・能力」を表すときに自然に使えます。
1) may / might が原則NGな理由
if節は「条件」を述べる場所。may / might は「推量(〜かもしれない)」を表すため、条件の中にさらに推量を入れると意味がぶれてしまいます。
❌ If it may rain, we’ll stay home.
(もし雨が降るかもしれないなら…)→ 「かもしれない条件」になり不自然。
2) 例外:may が「許可」を表すときはOK
✅ If I may say so, …
(もし言ってもよければ…)
この場合の may は「許可」の意味で、推量ではなく丁寧な前置きとして使われています。
3) 一方で、can / could はOK!
can と could は、「能力」「可能」「丁寧な条件」を表すため、if節の中でも自然に使えます。
✅ If you can come, call me.
(もし来られるなら、電話して。)
can は現実的で、相手が実際にできる前提を表します。
✅ If you could come, that would be great.
(もし来られたら、最高だね。)
could は「丁寧・控えめ・仮定的」な響きになります。
つまり、can は現実的、could はやわらかく丁寧な条件です。
| 助動詞 | if節でOK? | 主な意味 | 備考 |
|---|---|---|---|
| will | ❌(未来推量) ✅(意志) | 未来・意志 | 「主語の意志」のときのみOK(If he will help…) |
| may / might | ❌(推量) ✅(許可) | 許可・可能性 | If I may… など定型のみ可 |
| can / could | ✅ | 能力・可能 | can は現実的、could は丁寧・仮定的 |
4) 言い換えのヒント
- 「〜かもしれないから」と言いたい → In case を使う
In case it rains, take an umbrella.
(雨が降るかもしれないから、傘を持っていきなさい。)- 「〜の可能性があるなら」と言いたい → that節の中で may
If there’s a chance that it may rain, take an umbrella.
(雨が降る可能性があるなら、傘を持っていきなさい。)
👉 まとめ:
may / might は「推量」ではNG(in caseなどで言い換え)。
can / could は「能力・可能」を表すときOK。
could は丁寧・控えめな条件を伝えるときに◎。
練習問題:if節での動詞・助動詞の使い方を確認しよう
以下の文で、( )内に入る正しい形を選んでみましょう。未来形・助動詞の使い方に注意!
練習問題:
- If it ( rains / will rain ), we’ll stay home.
- If he ( will help / helps ) me, I can finish it soon.
- If you ( can / will ) come tomorrow, I’ll be happy.
- If you ( may / can ) speak English, please join the project.
- If I ( may / can ) say so, your idea sounds great.
- If you ( could / can ) finish early, that would be wonderful.
✅ 答えとポイント
① rains → if節は現在形!
② will help → 意志のwill(手伝うつもり)ならOK
③ can → 実際に来られる能力を表す
④ can → 「話せる」能力のcan、mayは不可
⑤ may → 許可のmay。「もし言ってもよければ」
⑥ could → 丁寧・控えめな条件



if節では「条件」は現在形、「意志・許可・能力」は意味で判断しましょう!
よくある誤りチェック:自然な英文に直そう
次の文には不自然な点があります。どこをどう直せばよいか考えてみましょう👇
- ❌ If it will rain, take your umbrella.
- ❌ If you may come, call me.
- ❌ If he can helps me, I’ll be glad.
- ❌ If I could come, I’ll join you.(現実的な約束)
- ❌ If you will be free tomorrow, let’s go out.
正しい文と解説:
① If it rains, take your umbrella. → 条件は現在形!
② If you can come, call me. → 「能力」なのでcan。
③ If he can help me, I’ll be glad. → 動詞の形を正しく。
④ If I can come, I’ll join you. → 現実的条件ならcan、couldは仮定法的。
⑤ If you are free tomorrow, let’s go out. → be動詞も現在形!
まとめ:
if節では「will」「may」「might」は注意!
使えるのは「意志のwill」「許可のmay」「能力のcan」「丁寧なcould」。



ここまで理解できたら完璧!
最後に “Ifには現在形、結果にwill” をもう一度思い出してね。
最終確認クイズ:if節の未来形・助動詞マスター!
最後に3問だけチェックしてみましょう。
「if節の中でどの形が自然か?」を考えてください👇
- If it ( rains / will rain ), we’ll cancel the picnic.
- If you ( will help / help ) me, I can finish it quickly.
- If you ( can / could ) come to the meeting, that would be great.
正解と解説:
① rains → if節は「条件」だから現在形!未来でもwillは使わない。
② will help → 「手伝う意志」がある場合はOK。意志のwill。
③ could → 丁寧・控えめな表現。現実的な条件ならcanでもOK。
まとめ:
If節では「条件=現在形」、
使える助動詞は 意志のwill / 許可のmay / 能力のcan / 丁寧なcould。



これで “if節での未来形と助動詞” は完全マスター!
次は実際の会話や英作文で使ってみよう。
✨「Ifには現在形、結果にwill」✨
この黄金ルールを忘れずに!
FAQ(よくある質問)
Q1. if節で「will」を使うのは全部ダメですか?
A. いいえ。「意志のwill」ならOKです。
例:If you will listen to me, you’ll understand.(もし聞く気があるなら)
Q2. 「if it will rain」って絶対ダメ?
A. 未来の推量の“will”をif節に入れるのは不自然です。
if節は「条件(現在形)」を表すため、rainsが自然です。
Q3. mayやmightはif節に使えますか?
A. 推量の意味では✗。ただし、「許可」や「丁寧な前置き」の場合はOKです。
例:If I may say so, …(もし言ってもよければ)
Q4. couldはどう違うんですか?
A. couldは「丁寧」や「控えめ」のニュアンスで、if節にもOKです。
例:If you could help me, I’d really appreciate it.(手伝ってもらえたら助かります)
Q5. if節では時制の一致は起こらないの?
A. はい。if節は「条件」を表す副詞節なので、主節の時制に影響されません。
If it rains, we will stay home.(もし雨が降ったら、家にいよう)でOK。
📚 関連記事(vsシリーズ/構文シリーズ)
おわりに|if節とwillの関係をマスターしよう
ここまで読んでくださってありがとうございます!
「if節では未来のことでも現在形」というルールは、最初は少し不思議に感じるかもしれません。
でも、英語の発想で考えるととても合理的なんです。
✔️ if節は「条件」=まだ起こっていないこと → 現在形
✔️ 主節は「結果」=これから起こること → will(未来形)
つまり、if節での時制は「時間」ではなく「確実性」で決まります。
未来のことでも「まだ確定していない条件」だから現在形を使う。
この感覚がつかめれば、willだけでなくmay・might・can・couldも自然に使い分けられるようになります。



英語の文法は、暗記ではなく「考え方」でつながっています。
一つのルールを理解すると、他の文法にも応用できるんだ。
今回のテーマで学んだ「条件と結果の関係」は、
「because(原因)」や「when(時)」などの節にもつながる大切な基礎です。
焦らず、例文を音読して自然に使えるようにしていきましょう。
✨ 覚えておこう:Ifには現在形、結果にwill! ✨
今日の学びを、ぜひあなたの英語に活かしてください。



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なまえ:Akken
高校英語教員。”初心者にとことん向き合う”をモットーに情報発信しています。
所有資格:TOEIC825,英検準1級,英語教授資格TESOL certificate Ⅳ
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