
先生、雪だるま作ろうって make a snowman じゃないんですか?



いいところに気づいたね。実は英語では build a snowman って言うんだ。



え? なんで build なんですか? 家を建てる時の動詞ですよね?
授業で『アナと雪の女王』を英語音声で観ていたとき、実際に出た生徒の疑問です。
有名なあの曲 “Do you want to build a snowman?” に出てくる build には、英語ならではの「作り方の感覚」が詰まっています。
この記事では、映画『アナと雪の女王』の名シーンを手がかりに、
make と build の違いを、感覚的にわかる形で解説していきます。
まず結論|なぜ build a snowman なのか?
結論から言うと、
雪だるまは「作る(make)」ものではなく、「積み上げて形を作る(build)」ものだからです。
- make は
👉 材料を混ぜる・加工するイメージ
(例:make a cake / make dinner / make a plan) - build は
👉 パーツを一つずつ積み上げて完成させるイメージ
(例:build a house / build a bridge / build a relationship)
雪だるまは、
雪をこねて一気に完成させるのではなく、
雪玉を転がし、大・中・小と重ねて作ります。
そのため英語では、
❌ make a snowman
⭕ build a snowman
が自然な表現になります。
② 感覚でわかる|make と build の決定的な違い
まずは、日本語に訳さず、頭の中でイメージしてください。
make の感覚
- 材料を混ぜる・加工する
- 途中経過より「完成した結果」が大事
- 比較的、一気にできあがる感じ
例
- make a cake(材料を混ぜて焼く)
- make dinner(食材を調理する)
- make a plan(考えをまとめる)
👉 「手を加えて、別の形にする」 感覚
build の感覚
- パーツを積み上げる
- 土台 → 途中 → 完成、というプロセス重視
- 崩れないように慎重に作る
例
- build a house(家を建てる)
- build a bridge(橋を架ける)
- build a relationship(関係を築く)
👉 「少しずつ形にしていく」 感覚
なぜ雪だるまは build なのか(視覚で理解)
雪だるま作りを思い出してください。
- 雪を丸める
- 転がして大きくする
- 大・中・小の雪玉を順番に積む
- 崩れないようにバランスを取る
これ、完全に
👉 build の世界 です。
だから英語では自然に
build a snowman
が選ばれます。
ワンランク上の気づき(ここが英語の面白さ)
実は build は、目に見えないものにも使われます。
- build confidence(自信を育てる)
- build trust(信頼を築く)
- build a friendship(友情を築く)
どれも
❌ 一瞬ではできない
⭕ 少しずつ積み上げる
雪だるまと同じ発想なんですね。
③ 実はもう一つの意味がある|build が選ばれた理由
ここで、もう一歩だけ踏み込んでみましょう。
この曲が流れるのは、
アナが何年もかけて、閉ざされたエルサの心に近づこうとする場面です。
雪だるま作りは、ただの遊びではありません。
それは、アナとエルサの関係そのものの象徴でもあります。
- 一気に元に戻るわけではない
- 失敗しながら、少しずつ
- 時間をかけて積み上げる
まさに
build a relationship
の感覚です。
もしここで make a snowman が使われていたら、
「ちょっと作ってみようよ」という、軽い印象になってしまいます。
でも build だからこそ、
「時間と想いを積み上げる行為」として、
アナの気持ちがより強く伝わるのです。



英語表現の選択ひとつで、
物語の深さは静かに変わります
④ もう迷わない|make / build の使い分け実践ガイド
まずは、この一文だけ覚える
make=加工して作る / build=積み上げて作る
迷ったら、「積む?」と自分に聞く。
積むなら build、積まないなら make が基本です。
よくある例で一気に整理
✅ build を使うと自然
- build a house(家を建てる)
- build a bridge(橋を架ける)
- build a snowman(雪だるまを作る)
- build trust(信頼を築く)
- build a relationship(関係を築く)
👉 時間・段階・積み重ねが見えるもの
✅ make を使うと自然
- make dinner(夕食を作る)
- make a cake(ケーキを作る)
- make a plan(計画を立てる)
- make a decision(決断する)
- make a mistake(間違える)
👉 材料や情報をまとめて結果を出すもの
英作文での即チェック法(超重要)
英作文で迷ったら、次の質問を自分にしてください。
Q. それは「一気にできる」?それとも「少しずつ形になる」?
- 一気 → make
- 少しずつ → build
例
- 友情を築く → ✕ make a friendship → ⭕ build a friendship
- 計画を作る → ⭕ make a plan
- 自信をつける → ⭕ build confidence
💡 ワンポイント|create は「新しく生み出す」ときに使う
create は、
make / build のどちらにも当てはまらないときに登場する動詞です。
ポイントはとてもシンプル。
- create:今までなかったものを生み出す(独創性・アイデア)
例
- create art(芸術作品を生み出す)
- create a character(キャラクターを生み出す)
- create a new system(新しい制度を作る)
👉
- 材料を加工する → make
- 積み上げて形にする → build
- 発想やアイデアから生まれる → create
この3つをセットで覚えると、
英作文で動詞に迷うことがぐっと減ります。
⑤ 30秒でチェック|make / build / create ミニ練習
次の( )に入る最も自然な動詞を選びましょう。
Q1
We decided to ( ) a plan for the school festival.
- A. make
- B. build
- C. create
👉 答え:A. make
※ 計画は「積み上げる」より「まとめる」感覚。
Q2
They spent years trying to ( ) trust with the local community.
- A. make
- B. build
- C. create
👉 答え:B. build
※ 信頼は時間をかけて少しずつ築くもの。
Q3
The artist wants to ( ) something completely new.
- A. make
- B. build
- C. create
👉 答え:C. create
※ 今までになかったものを生み出す。
Q4
The children went outside to ( ) a snowman.
- A. make
- B. build
- C. create
👉 答え:B. build
※ 雪玉を積み上げて作るから。
Q5(少し応用)
She is trying to ( ) confidence by practicing every day.
- A. make
- B. build
- C. create
👉 答え:B. build
※ 自信は積み重ねて身につくもの。
🎯 ひとこと確認
積み上げる → build / 加工する → make / 新しく生む → create
この一文が頭に残れば、正解です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「雪だるま作ろう」は、なぜ make a snowman じゃなくて build a snowman なの?
A. 雪だるまは、雪をこねて一気に作るというより、雪玉を転がして大きくし、大・中・小を積み上げて形にするものです。
英語の build には「土台から積み上げて作る」という感覚があるので、build a snowman が自然になります。
Q2. make と build の一番大きな違いは?
A. ざっくり言うとこうです。
- make:材料を加工して作る(例:make a cake / make dinner)
- build:パーツを積み上げて作る(例:build a house / build trust)
迷ったら「それは積み上げるもの?」と自分に聞くのがコツです。
Q3. build は「家」みたいな物だけに使うの?
A. いいえ、目に見えないものにもよく使います。
たとえば、
- build trust(信頼を築く)
- build a relationship(関係を築く)
- build confidence(自信をつける)
どれも「時間をかけて少しずつ積み上げる」イメージです。
Q4. create は make や build とどう違う?
A. create は「新しく生み出す」というニュアンスが強い動詞です。
材料を加工する make、積み上げて形にする build と違い、アイデアや独創性に焦点があります。
例:create art / create a character / create a new system
Q5. 英作文で make と build に迷ったときの判断基準は?
A. 次の2択で考えるとほぼ解決します。
- 一気に完成する → make
- 少しずつ形になる → build
たとえば「計画」はまとめるので make a plan、
「信頼」は積み重ねるので build trust が自然です。
⑥ まとめ|英語は「作り方」で動詞が決まる
英語では、「何を作るか」よりも
「どう作るか」が動詞選びの決め手になります。
- 材料を加工して作るなら make
- 少しずつ積み上げて形にするなら build
- 新しい発想から生み出すなら create
だから『アナと雪の女王』では、
make a snowman ではなく
build a snowman が選ばれました。
雪だるまも、関係も、信頼も――
大切なものは、一気にはできない。
英語の動詞選びは、
その「積み上げる感覚」を教えてくれます。
⑥ まとめ|英語は「作り方」で動詞が決まる
最後に、冒頭の質問(なぜ「雪だるま作ろう」は make じゃなく build?)に戻りましょう。



先生、結局なんで build a snowman なんですか?



ポイントはこれ。英語では「何を作るか」より、「どう作るか」で動詞が決まるんだ。
- 材料を加工して作るなら make
- 少しずつ積み上げて形にするなら build
- 新しい発想から生み出すなら create
だから『アナと雪の女王』では、
make a snowman ではなく
build a snowman が選ばれました。



なるほど…雪だるまって、雪玉を転がして大きくして、最後に積み上げますもんね。
それなら build のほうがしっくりきます。



そうそう。その感覚がつかめれば、英作文でも迷いにくくなる。
迷ったら「積む?」って自分に聞くといいよ。
雪だるまも、関係も、信頼も――
大切なものは、一気にはできない。
英語の動詞選びは、
その「積み上げる感覚」を教えてくれます。
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なまえ:Akken
高校英語教員。”初心者にとことん向き合う”をモットーに情報発信しています。
所有資格:TOEIC825,英検準1級,英語教授資格TESOL certificate Ⅳ
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